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第1章 アリョーナの旅路

アタシは、どうしてボブさんと離婚をしてしまったのだろうか…

どうしてアタシは、ボブさんとボブさんの家の親族との間に大きな溝を作ってしまったのだろうか…

アタシがボブさんが年収10万ドルでマサチューセッツ州の州庁の職員だと言うことはタテマエで、本音はゼンゼン違うじゃないのよ…と思ってしまったことにつきましては、フライグブルグ(ドイツ)で最初に結婚をしたヒーラーさんがシューカツをすると言っておきながら、実はアタシのヒモになっていたことが原因で大ゲンカの末に離婚をしましてフランスへ逃げこんだ思い出があったからそのように思っていました。

フランスへ逃げ込んだ後に再婚をしましたフィリップさんとの結婚生活も長続きせずに離婚をしました。

アタシはフィリップさんの家の親族たちとの間でヒンパンにもめ事が起こっていたそのまた上に、フィリップさんの浮気相手の女ふたりともドカバキの大ゲンカを起こしてしまった…

そうしたトラウマの発端となったのが、2011年の７月にハバロフスクの実家の両親が決めたお見合い相手との挙式披露宴の前夜にガラの悪い男たちから集団でレイプされた事件から始まっていた…

アタシの過去のトラウマは、レイプ事件できついはずかしめを受けたそのまた以前から始まっていたような気がしたと思っていました。

アタシの結婚生活が長続きできなかった原因は…

他にもまだ思い当たるフシがあるかもしれないわ…

しかし、いくら考えてみましても思い当たるフシはなかなか見つかりませんでした。

ダメ…

思い出せない…

どうしよう…

アタシは、毎日そうしたジレンマに苦しみ続けていました。

そんなアタシに、もう一度ウェディングベルを鳴らす日は来るのだろうか？

アタシは、何のためにアメリカへやって来たのだろうか？

ハバロフスクの実家から突然逃げ出した後に、幸せさがしの旅に出て、シベリア鉄道に乗ってモスクワへ逃げて、その後サンクトペテルブルグからドイツ・フランスと転んだあげくにアメリカへやって来たけれども、アタシは幸せを見つけるためにアメリカへ来たのじゃなかったの？

アタシは、そう思えばおもうほど気持ちがしずんでしまいまして悲しくなっていました。