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第1章 アリョーナの旅路

８月24日、アタシは一定の金額がたまりましたので予定よりも数日早くボストンを出発しようかと思っていました。

昼２時頃、アタシはエレンと一緒にパブリックガーデンまで行きました。

公園の中にあるラグーン(水辺)では、カップルさんたちがスワンボートに乗りまして、楽しくデートをしている風景が見られました。

アタシとエレンは、公園のベンチに座りましてこんな会話をしていました。

「ねえアリョーナ、アリョーナは本当に西海岸の街へ行くの？」
「うん、本当よ。」
「どの辺りに行こうとしているの？」
「シアトルまで行こうかと…思っているのよ。」
「シアトル。」
「シアトルの近辺だったら、時給が10ドル以上のバイトがあるかもしれないから…あのねエレン、アタシ、今度こそは女ひとりで生きて行くことを決めたの…アタシはね…新しい恋もしたいとも思っていないし…結婚をすることも考えていないのよ。」
「アリョーナ、あんたそんなギスギスした気持ちを抱えたままで、暮らして行くの？もう一度ボブさんと話し合ってみると言うことはできないの？」
「できるわけないわよ…お願いだから、ボブさんのことを出してこないでよ…アタシは…本当に女ひとりで生きて行くことにしたのだから…これ以上過去のことをかき出さないでよ!!」

アタシは、エレンにこう言った後に右手で髪の毛をくしゃくしゃにして頭を抱えてしまったのでありました。