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第3章 アリョーナの旅路・最終章

「アリョーナ…アリョーナ…」

タメルランは、アタシをギュッと抱きしめた後にキスをしました。

この時アタシの気持ちは、タメルランと再会できたことがうれしくなっていたので、過去に彼とイザコザしていたことは忘れていました。

タメルランは、アメリカでの事件のあと、不法入国でアメリカ合衆国に８年間入国禁止になってしまいまして、フランスのコルシカ島にある刑務所で服役をしていました。

２年前に刑期を終えましたタメルランは、仮出所中にミラノ市内の木工所に再就職をしまして、カタギになっていました。

２ヶ月前に、晴れて本出所となりましたので、タメルランはこれから変わろうとしていた時に、アタシと再会できたことを喜んでいました。

「アリョーナ…会いたかった…ずっとアリョーナに会いたかったのだよ…」
「ああ…タメルラン…」

アタシの気持ちは、タメルランの方にかたむいていましたので、ルガーノさんのことはすっかり忘れていました。