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第3章 喪失
2人は海沿いにある海鮮メインの店にいた。

「なに食べる?」

「……なんでもいいの?」

「いいぜ…………やっぱり1000円以上のはダメ」

「なんでもいいんじゃないの?」

「あんまり使いすぎると親父に悪いからな」

渚は了解するとマグロ丼を指差す。

朝倉も決まり、店員を呼ぶ。

「マグロ丼と海鮮丼お願いします」

店員が厨房に注文を告げに戻る。

注文を待っている間、特に会話することもなく朝倉は窓から一望できる海を見ていた。

浜辺では子連れが歩いている。

海を見ているとふと朝倉は、渚と始めて出会った時のことを思い出した。

「……そういやさ。なんでお前あんな所で倒れてたんだ?」
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