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恋人たち 穢された初体験
第1章 囚われたカップル
「僕のせいじゃないのにね、令奈ちゃん」助けを求めるような視線を令奈さんに向けながら男の人は、ソファーに座った。そこでようやく僕と穂香ちゃんに気づいたようだった。

「あれ、君たち誰?」

「大輔くんと穂香ちゃん、ボートで遊んでたら、流されちゃったんだって」

監督のときと同じように令奈さんが要領よく答えてくれた。

「へえ、そうなんだ。大変だね」

「彼は、雄太くん。助監督兼カメラマンよ」

雄太さんは、監督より少し若い。背はそれほど高くないが、がっしりした体つきをしている。柔道かなにかしてたのかもしれない。

雄太さんは、両手の指を使って四角い窓をつくると、カメラアングルを確認するような仕草で穂香ちゃんを見た。

「君、可愛いね。読者モデルかなんかしてるの?」

「さっき監督も同じこと聞いてたわよ。彼女はしてないって」

「そうもったいないな」

「それも一緒」令奈さんは笑って言った。「あなたたち本当に仲がいいわね」

「それはそうさ、監督とは長い付き合いだからね」

雄太さんは、愛くるしい笑顔を見せた。
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