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るりいろ(MILK &honey後日談)
第3章 分かりたい

   *

「……るり?」

「なぁに?」

 ここのところずっとそうなってるのと同様に、今日も夕ご飯を物静かに食べた。
 その後、テーブルを片付けて。
「光のお土産、食べて良い?」って言ってくれて、今その用意が終わった所だ。

「……あの……話が有って……」

「うん」

 こっち来て貰って良い?と言うと頷いて、俺の隣に座ってくれた。

「これ食べる前に、話して良い?」

 俺の買ってきたわらび餅が、目の前に置かれている。あと、水出しの冷茶も。すげー旨そうだけど、今喉を通りそうな気がしねー。

「……いいよ?」

「ありがと、っ」

 まだ何も言ってねーのに喉が詰まって、視線を逸らしそうになる。
 自分を奮い立たせて、るりの目を見た。

「すげー心の狭い事言うかもしんねーけど……なんにも言わねーで、最後まで聞いてくれる?」

 こくんと頷いたるりを見たらほっとして、ほっとしたら何故だか視線を合わせ辛くなった。

「……バイクの事、なんだけどっ」

 るりを、見れねー。
 ちょうど良い所に有ったから、るりの代わりにわらび餅をじっと見る。

「お願いだから、乗んなぁ俺と居る時にして。俺の居ねーとこで、一人で乗んないで」

 まるでわらび餅が爆発かなんかすんじゃねーかって心配してるみてーにじーっと見詰めながら、一気に言った。

「るりに何か有るのを止めんなぁ無理かもだけど、何か有った時に助けられる様に、近くに居させて欲しいんだ。……じゃねーと、俺……」

 言いてー事が上手く言えなくて、語尾がもしゃもしゃはっきりしなくなる。
 なんにも言わずに黙って聞いてくれてるるりの顔を、どうしても見れねー。

 
「いいよ?」

「………………へ?」


 いいの?
 んなにあっさり「いいよ?」って、言っていいの……?!
 俺、今、すんげー束縛野郎みてーな心の狭い、ケツの穴の小せぇ事、言ったと思うんだけど……。

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