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るりいろ(MILK &honey後日談)
第3章 分かりたい
「……分かりました……お乗せ致します……」
そん位は、折れねーとな。
一人で乗んねーでって勝手な願いを、俺ぁるりに押しつけたんだ。元々そのつもりだったって言っちゃあくれたけど、それでも無理なお願い聞かせちまったってのにゃあ、変わりねーよ。
「嬉しい!ありがと、光!大好き!!」
るりはにっこにこになって、ばふっと俺に抱き付いて来た。
「……俺も、るり、大好き……」
最近ご無沙汰していた、るりの頭を撫で撫でする。いー匂い……髪の手触りも、気持ち良い。何日か触れなかった事で干からびてた気持ちが、水を吸ったスポンジみてーに、どんどん晴れて穏やかになる。
「……あのさー?」
晴れた気持ちに、一点の曇り。
「なぁに?」
「……教官、どんな奴だったの?るりを乗っけて、ニケツの時のアドバイスくれたって教官」
「かっこいい人!!」
「っ」
間髪入れずに返ってきた答えに固まった俺の頬っぺたを、るりがむにょっと一度つまんだ。それから、ふわっと両手のひらで包んで、笑った。
「ヒカリさんみたいに、すっごく、かっこいい人!!」
……ん?
……ヒカリみたいに?
光じゃねくて?
「……その教官って…………女?」
「うん。だから、女性がバイクに乗る時に気を付けた方が良い事とかも教えて貰ったよ?…………びっくりした?」
「……まあ……」
口籠もった俺に、るりはふふっと笑った。
「もしかして、かっこいい男の人だと思った?」
「…………このっ……」
にやにやしているるりを捕まえて、頭をぎゅっと胸に抱く。