この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
兄貴の彼女/彼の弟(MILK&honey 後日談)
第1章 兄貴の彼女

*
「……んで、大学進学してーんだよな?」
夕飯が終わって。
俺ら兄弟はリビングのソファで、俺の訪問の目的である進路相談をすることにした。
るりさんは、片付けをして先にお風呂に入ると言って、俺らを二人きりにしてくれた。
……いい人だな。可愛くて、料理上手で、気が利いて、控え目で……や、るりさんの事を考えんのは止めよう。ヤバい気がする。
「うん。同じ仕事に就けんなら、専門でも良んだけど」
「行けんなら、大学行っとけ。金は出すから……後から行きたくなっても、難しいだろ」
「そりゃ、まあ……」
「すみません、お風呂先に頂きました」
のんびりした柔らかい、でも少し遠慮がちな声。
俺と兄貴が、振り向くと。
「っ!?」
「るりっ!?」
「……え?」
きょとんとしている湯上がりのるりさんは、ふわふわした淡いオレンジ色のワンピースを着ていた。 パーカーの形で両方にポケットが着いていて、首元から裾までは、長いファスナーが付いている。
俺の前に出て来る位なんだから、パジャマじゃなくて部屋着……なんだろうけど。
このファスナーの下って、どうなってるんだろう……。
髪をくるりとお団子の様に上げて、ワンピースとお揃いの髪飾りで留めている。襟足の後れ毛が、色っぽい。髪からか、肌からか、柑橘系と花の混じった様な、甘い良い匂いが漂って来る。
「なぁに?……どっか、へん?」
俺らが無言で見詰めてるからか、るりさんは戸惑った様に眉をへの字にして兄貴を見た。
「うーうん、なんでもねー!」
「……ほんと?」
「ほんとだって!変じゃねーよ、すっごく可愛い!……また明日な。お休み、るり……ちゃん。」
「うん。……お休みなさい、光さん、勇くん」
るりさんは、ほっとした様にほわんと笑って、俺らに手を振ってお辞儀した。

