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兄貴の彼女/彼の弟(MILK&honey 後日談)
第1章 兄貴の彼女

「……勇?」
「何?」
るりさんが、自分の部屋に去った後。
兄貴は眉間に皺を寄せて、やけに低い声を出した。
「……見た?今の。」
「そりゃ、」
見えんだろ。目の前に居たんだぞ。見えなかったら、問題だろ。救急車呼ばなきゃいけねーだろ。
「忘れろ……良いな、ぜってぇ忘れろ……」
兄貴の迫力に負けて、首を縦に振ってしまった。でもそれは、「うん」じゃなくて、単なる首の運動だった。
忘れられる訳、ねーだろーがよ。
いい匂いさせて、ふわふわの長いパーカーみたいなワンピース着て……そこから覗く、柔らかそうなふくらはぎの曲線が美しい、芸術品みてーな白い脚。
……こういうの、目の毒って言うんだろーな……毒が回っちまったのか、心臓が変な打ち方して、落ち着かねー。
その後も、引き続き進路相談をしたけれど。
俺も兄貴も、なんとなく上の空で。
「……もう遅いし、明日、朝飯の時にでも、るりちゃんも一緒に話そっか。分野とかは違うだろうけど、るりちゃん去年受験だったし……みんな受けるテスト?の事とか、参考になることも有るかもしれねーし」
そわそわした兄貴の一言で、また明日、ということになった。

