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彼時々彼女、所によって一時ケダモノ。
第1章 彼時々彼女

「お帰り、お菊。こちらが」

「うわぁ、可愛い!若い!ピチピチ!!」

 年は、光達と同じくらい?
 小柄で明るく気さくな感じの女の人が、にこにこと挨拶をした。

「初めまして、お菊です。菊は名前じゃなくて、名字です。フルネームは、菊早苗。本物の現役女子高生と会えて嬉しいです、普段は姫とは名ばかりの偽物のおっさんのメイクとかしてるんで」

「誰がオッサンじゃゴルァ」

 お菊さんは慣れているのか、光の呟きは聞かない振りをした。

「あー、いじりたい!二人とも、ほとんど何もしてないよね?」

「はい……」

「ねえ、良かったら今度、メイクさせて!!今でも十分可愛いけど、もっと可愛くなれるから!」

   *


「るりちゃん可愛いねえ!食べちゃいたい……やたら化粧映えするオッサンの毒牙に掛かるの勿体なーい!!」

 ……それで、今、こうなっているという訳で。

「ヒメちゃんも、すっごく可愛い!メイクで大人っぽくなるよねー!」

「だよねー?お菊さん、すごい!」

「ありがと!プロだからねー!」

 二人で、きゃっきゃとはしゃいでる。

「この化粧品、メモしてって良いですか?全部、欲しいな……」

 同じのを揃えたからって、同じに出来るか分からないけど。
 似合うよって教わった色とかは、このまま揃えたい。

「あー、これとこれは、プチプラコスメで似たのが有るよ?そっち買った方が良いと思う……色物は、流行アイテムだし」

 手際よく、大きい付箋にメーカー名と品名品番をメモしてくれる。

「なるほどー、プチプラ……」

「行き付けのショップとBAの名前も書いとくね。私の紹介って言えば、うるさく売りつけたりしないから……サンプルとかもくれると思うし」

「ありがとうございます!」

 私達三人は、コスメトークできゃいきゃいと盛り上がった。

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