この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼時々彼女、所によって一時ケダモノ。
第1章 彼時々彼女

「お帰り、お菊。こちらが」
「うわぁ、可愛い!若い!ピチピチ!!」
年は、光達と同じくらい?
小柄で明るく気さくな感じの女の人が、にこにこと挨拶をした。
「初めまして、お菊です。菊は名前じゃなくて、名字です。フルネームは、菊早苗。本物の現役女子高生と会えて嬉しいです、普段は姫とは名ばかりの偽物のおっさんのメイクとかしてるんで」
「誰がオッサンじゃゴルァ」
お菊さんは慣れているのか、光の呟きは聞かない振りをした。
「あー、いじりたい!二人とも、ほとんど何もしてないよね?」
「はい……」
「ねえ、良かったら今度、メイクさせて!!今でも十分可愛いけど、もっと可愛くなれるから!」
*
「るりちゃん可愛いねえ!食べちゃいたい……やたら化粧映えするオッサンの毒牙に掛かるの勿体なーい!!」
……それで、今、こうなっているという訳で。
「ヒメちゃんも、すっごく可愛い!メイクで大人っぽくなるよねー!」
「だよねー?お菊さん、すごい!」
「ありがと!プロだからねー!」
二人で、きゃっきゃとはしゃいでる。
「この化粧品、メモしてって良いですか?全部、欲しいな……」
同じのを揃えたからって、同じに出来るか分からないけど。
似合うよって教わった色とかは、このまま揃えたい。
「あー、これとこれは、プチプラコスメで似たのが有るよ?そっち買った方が良いと思う……色物は、流行アイテムだし」
手際よく、大きい付箋にメーカー名と品名品番をメモしてくれる。
「なるほどー、プチプラ……」
「行き付けのショップとBAの名前も書いとくね。私の紹介って言えば、うるさく売りつけたりしないから……サンプルとかもくれると思うし」
「ありがとうございます!」
私達三人は、コスメトークできゃいきゃいと盛り上がった。

