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復讐の味は甘い果実に似て
第8章 復讐の行方 ~明日香の告白~
しかし、「寝取られ」なんて一言で言っても、実際は複雑だなあ、と思う。
恋人が他人に抱かれて、身を焼くような嫉妬のなかに暗い悦びを見出す人が、他人に恋人を奪われる心配をするなんて。
だが、浩二は、本心では、また、わたしが先輩に抱かれることを望んでいるのだろう。
あの復讐の夜のように、今まさに行われている、わたしと先輩の激しく淫らな求め合いを想像し、嫉妬に心を焦がす甘美な欲望に浸りたいのだ。
浩二が望むなら、わたしはまた、先輩に抱かれるだろう。
そして、浩二の求めるままに、自分がどのように乱れ、絶頂を迎えたかを、淫らに言葉を紡いで浩二に語るだろう。
それは、わたしが浩二を愛しているということの証であって、同時に浩二の寝取られ性癖を覚醒させてしまったことへの責任だと思うのだ。
少しだけ落ち込んで黙ってしまった浩二に、わたしは振り向いて言った。
「わたしは浩二のこと、好きだよ。ううん、むしろ、前より好きになってる。」
えっ、と浩二は驚いたような顔で、わたしを見た。
「今日だって、わたしのために、わざわざシャワー浴びないで我慢してくれてたんでしょ?わたしのキモい趣味にもちゃんと合わせてくれる、そういう健気な彼氏を放って、他の人のところに行ったりしませんから。わたしは。」
わたしの言葉に浩二が笑い、おどけて、わたしを後ろから抱きしめた。
「それにね……」
「?」
「多分、こんな意固地で、向こう見ずで、危なっかしくて、面倒くさい女の子、こんなに大事にしてくれるの浩二くらいだよ……ありがと。」
そこは、わたしの本心だった。
わたしは浩二の首に手をまわすと、そのまま抱き寄せて、長く、深くキスをした。
恋人が他人に抱かれて、身を焼くような嫉妬のなかに暗い悦びを見出す人が、他人に恋人を奪われる心配をするなんて。
だが、浩二は、本心では、また、わたしが先輩に抱かれることを望んでいるのだろう。
あの復讐の夜のように、今まさに行われている、わたしと先輩の激しく淫らな求め合いを想像し、嫉妬に心を焦がす甘美な欲望に浸りたいのだ。
浩二が望むなら、わたしはまた、先輩に抱かれるだろう。
そして、浩二の求めるままに、自分がどのように乱れ、絶頂を迎えたかを、淫らに言葉を紡いで浩二に語るだろう。
それは、わたしが浩二を愛しているということの証であって、同時に浩二の寝取られ性癖を覚醒させてしまったことへの責任だと思うのだ。
少しだけ落ち込んで黙ってしまった浩二に、わたしは振り向いて言った。
「わたしは浩二のこと、好きだよ。ううん、むしろ、前より好きになってる。」
えっ、と浩二は驚いたような顔で、わたしを見た。
「今日だって、わたしのために、わざわざシャワー浴びないで我慢してくれてたんでしょ?わたしのキモい趣味にもちゃんと合わせてくれる、そういう健気な彼氏を放って、他の人のところに行ったりしませんから。わたしは。」
わたしの言葉に浩二が笑い、おどけて、わたしを後ろから抱きしめた。
「それにね……」
「?」
「多分、こんな意固地で、向こう見ずで、危なっかしくて、面倒くさい女の子、こんなに大事にしてくれるの浩二くらいだよ……ありがと。」
そこは、わたしの本心だった。
わたしは浩二の首に手をまわすと、そのまま抱き寄せて、長く、深くキスをした。