この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
復讐の味は甘い果実に似て
第2章 セリヌンティウスへの宣告
「この度は、うちのサークルのメンバーの不始末で申し訳ありません。」
 明日香が僕に頭を下げてきた。
 なぜ、彼女が僕に頭を下げるのかと思ったが、要するに、集団で押しかけたことの正当化なのだろう。
 単に、恵梨が友達をつれて復縁要請ということなら、ふざけんな、このお花畑どもが、と一喝すれば済むが、部長としてサークルのメンバーの不始末を詫びに来ました、という形をとられると、少なくても筋は通るわけで、僕としてもそういう言い方はしにくい。

 多分、そういうことも計算しているのだろう。
 なかなか頭の切れる女の子だ、と思った。
 こういう奴は嫌いじゃない。もし、女じゃなければいい友達になれただろうに。
 だが、少なくとも今の僕には、いくら筋が通っていようが、恵梨との復縁話など受け入れる余裕は微塵もないのだ。

「そもそも今回のことにあなたたちのサークルは関係ないし、あなたに謝っていただく必要はありません。第一、僕と恵梨は結婚しているわけでもありませんので、別れようが、どうなろうが、あなたたちにとやかく言われる筋合いもありません。」
 なるべく冷酷に聞こえるように、僕は声を絞り出した。

「しかし、恵梨とあなたは、もうすぐ婚約する予定だと聞きました。ですから……。」
「ええ、予定でした。今となっては過去形ですが。」
 僕がそういうと、恵梨がわあっと声をあげて泣き出した。

 ふざけるな、お前は悲劇のヒロインのつもりか?
 泣きたいのはこっちじゃないか。

/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ