この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
復讐の味は甘い果実に似て
第2章 セリヌンティウスへの宣告
「この度は、うちのサークルのメンバーの不始末で申し訳ありません。」
明日香が僕に頭を下げてきた。
なぜ、彼女が僕に頭を下げるのかと思ったが、要するに、集団で押しかけたことの正当化なのだろう。
単に、恵梨が友達をつれて復縁要請ということなら、ふざけんな、このお花畑どもが、と一喝すれば済むが、部長としてサークルのメンバーの不始末を詫びに来ました、という形をとられると、少なくても筋は通るわけで、僕としてもそういう言い方はしにくい。
多分、そういうことも計算しているのだろう。
なかなか頭の切れる女の子だ、と思った。
こういう奴は嫌いじゃない。もし、女じゃなければいい友達になれただろうに。
だが、少なくとも今の僕には、いくら筋が通っていようが、恵梨との復縁話など受け入れる余裕は微塵もないのだ。
「そもそも今回のことにあなたたちのサークルは関係ないし、あなたに謝っていただく必要はありません。第一、僕と恵梨は結婚しているわけでもありませんので、別れようが、どうなろうが、あなたたちにとやかく言われる筋合いもありません。」
なるべく冷酷に聞こえるように、僕は声を絞り出した。
「しかし、恵梨とあなたは、もうすぐ婚約する予定だと聞きました。ですから……。」
「ええ、予定でした。今となっては過去形ですが。」
僕がそういうと、恵梨がわあっと声をあげて泣き出した。
ふざけるな、お前は悲劇のヒロインのつもりか?
泣きたいのはこっちじゃないか。
明日香が僕に頭を下げてきた。
なぜ、彼女が僕に頭を下げるのかと思ったが、要するに、集団で押しかけたことの正当化なのだろう。
単に、恵梨が友達をつれて復縁要請ということなら、ふざけんな、このお花畑どもが、と一喝すれば済むが、部長としてサークルのメンバーの不始末を詫びに来ました、という形をとられると、少なくても筋は通るわけで、僕としてもそういう言い方はしにくい。
多分、そういうことも計算しているのだろう。
なかなか頭の切れる女の子だ、と思った。
こういう奴は嫌いじゃない。もし、女じゃなければいい友達になれただろうに。
だが、少なくとも今の僕には、いくら筋が通っていようが、恵梨との復縁話など受け入れる余裕は微塵もないのだ。
「そもそも今回のことにあなたたちのサークルは関係ないし、あなたに謝っていただく必要はありません。第一、僕と恵梨は結婚しているわけでもありませんので、別れようが、どうなろうが、あなたたちにとやかく言われる筋合いもありません。」
なるべく冷酷に聞こえるように、僕は声を絞り出した。
「しかし、恵梨とあなたは、もうすぐ婚約する予定だと聞きました。ですから……。」
「ええ、予定でした。今となっては過去形ですが。」
僕がそういうと、恵梨がわあっと声をあげて泣き出した。
ふざけるな、お前は悲劇のヒロインのつもりか?
泣きたいのはこっちじゃないか。