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復讐の味は甘い果実に似て
第2章 セリヌンティウスへの宣告
「大体、電話にもメールにも一切返事しないってどういうことですか。恵梨はあなたのことをずっと心配してたんですよ!」
 今度は、恵梨の隣に座っているひかるとかいう女の子が声をあげた。

「そもそも心配しなきゃならない原因を作ったのは誰ですか? もし、仮にあなたが誰かにレイプされたとして、当のレイプ犯が、あなたに大丈夫ですかってメールを出してきたら、あなたはご丁寧に返信なさるんですか?」
 我ながらひどい例えだ、と思ったが、それでひかるは得心したらしく、口をつぐんだ。

 
「新田さんが怒っていらっしゃるのは当然ですが、恵梨の言い分も聞いてあげてくれませんか?」
 改めて明日香が僕に聞いてきた。
「聞きたくありません。どうせ、言い訳にきまっている。それとも、あなたは僕に、恵梨の適当な言い訳やら出まかせを聞かせて、さらに僕を苦しめたいんですか?」

 いい加減にしろ、というのを僕はずっとこらえていた。
 これ以上、僕の傷を抉りまわさないでくれ。
 そうでなくても、僕は中学生の時からトラウマと戦い続けているんだ。
 それとも、こいつらは、そこまで言わないと納得しないのだろうか。
 仕方なく、僕は明日香に目を合わせて、声を絞り出した。

「……私事ですけど、僕が人一倍、浮気や不倫を毛嫌いしていることをご存知ですか?」
「はい、恵梨に聞きました。ご両親が離婚されているとか。」
「そこまで知っているなら、もう僕に聞かせることもないでしょう? 彼女は僕が最も嫌うことを、僕の目の前でしたんですから。」

「確かに、恵梨が言い逃れのできないことをしたのは事実です。ですが、恵梨のいうことも嘘や出まかせではありません。それを説明させてください。」
 明日香は僕の言葉にひるむことなく、重ねて提案してくる。
 この、聞きたくない⇒話させろというループを彼女たちはまだ繰り返そうというのか。
 もう、うんざりだった。
 嘘まみれの言い訳なんか聞きたくもない。

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