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復讐の味は甘い果実に似て
第9章 さよならという儀式 ~ひかるの告白~
 昨日より、少しだけ明るい雰囲気で夕食が終わると、先輩は先に休むから、とあたしたちに告げて、コテージの2階の自分のベッドに上がっていった。

 そして、あたしたちは恵梨を交えて、お酒を飲み始めた。
 明日香にしても、あたしにしても、復讐の一件以来、ぎくしゃくしている恵梨との関係を戻したいというのはあった。

 もちろん、恵梨のしたことにわだかまりが消えたわけではないけれども、恵梨は恵梨で、苦しんだわけだし、何より、復讐のことがあってから、あたしは恵梨に対して気後れせず、ものが言えるようになっていた。

「で、恵梨はちゃんとお別れできたの? 先輩と。」
 缶ビールを開けつつ、明日香がえらく単刀直入に切り出した。

「……うん、できたよ。お礼も言えた。今までありがとう、って。あたしをいっぱい愛してくれてありがとう、って。」
 少しだけ涙ぐみながら、恵梨が言い、明日香が恵梨を抱きしめた。

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