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復讐の味は甘い果実に似て
第10章 それぞれの朝
 彼女の舌が僕の舌に絡みつき、僕の口腔を貪るように動き出した。
「ん……チュ……ジュプ……んんっ……。」
 まるで生き物のように、彼女の舌が心地よく僕の舌を弄ぶ。
 
 そして、彼女の手が僕の股間に伸びてきた。
 僕はスーツの上から彼女の手でペニスを弄ばれて、あっさりと勃起させていた。
「先輩……お酒臭いですよ……。」
「そりゃ、卒業祝いの席で、それなりに飲んでるからね。」
「うふふ……でも、こっちは全然、酔っ払ってないみたいですよ……。相変わらず、おっきくて逞しい……。」
 
 彼女は僕のジッパーを下げると、僕の勃起したペニスを取り出す。
 少しだけ滲んだ先走りが垂れるのもかまわず、彼女はペニスに頬を寄せた。
「天本さん……何もこんなとこをしてくれなくても、君が僕のことを少しでも好きだと思ってくれるなら、僕は喜んで、君に付き合ってくれ、と言うよ。」
 僕は、あまりに性急な彼女の求め方に戸惑いを隠せなかった。

 だが、それは間違いなく、僕の本心だった。
 あんなことをバカなことをしでかした僕なんかでよければ、という気持ちだった。

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