この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
復讐の味は甘い果実に似て
第10章 それぞれの朝
 僕たちは風呂をあがると、お互いの体を拭いもせずに、また激しく求めあった。
 
 今の僕が、彼女に気持ちを伝えられるとすれば、それは彼女を気持ちよくすることだけだった。
 そして、僕は寂しさを極限まで募らせて、改めて彼女に想いを伝えるのだ。
 そうして初めて、僕たちは普通の恋人としてスタートできるのだろう。
 
 それは、今さらながらの形式主義のような気もしたが、ひかるは本来、そういう普通の恋愛をすべきだった女の子のはずで、それを無残に踏みにじってしまったのは僕なのだ。
 
 だから、僕は全てを受け入れる。
 そして、真っ当に、ひかるを手に入れる。
 僕はそう心に誓いながら、明け方まで、ひたすらにひかるを求め続けた。
 
 
 朝を迎えて、僕とひかるは、お互いの温もりのなかで目覚めた。
 僕たちはまどろみのなかで求めあうように眼を合わせ、抱き合い、唇を重ねた。

 もう、僕の心は間違いなく、ひかるの温もりに満たされていたけれど、それは、僕が口に出すべきことではなかった。
 僕がそれを口にできるのは、僕とひかるの心から、この復讐のわだかまりが消え、お互いの気持ちを、ありのままに受け止めることができるようになってからだ。
 そして、僕たちがそうなるためには、少しだけ時間が必要なのだ。

 今は、それで十分だった。
 今度こそ、僕はひかると、時間も距離も乗り越えてみせる。
 僕は、そう心に誓うと、ひかるをさらにきつく抱きしめた。

/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ