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復讐の味は甘い果実に似て
第10章 それぞれの朝
僕たちは風呂をあがると、お互いの体を拭いもせずに、また激しく求めあった。
今の僕が、彼女に気持ちを伝えられるとすれば、それは彼女を気持ちよくすることだけだった。
そして、僕は寂しさを極限まで募らせて、改めて彼女に想いを伝えるのだ。
そうして初めて、僕たちは普通の恋人としてスタートできるのだろう。
それは、今さらながらの形式主義のような気もしたが、ひかるは本来、そういう普通の恋愛をすべきだった女の子のはずで、それを無残に踏みにじってしまったのは僕なのだ。
だから、僕は全てを受け入れる。
そして、真っ当に、ひかるを手に入れる。
僕はそう心に誓いながら、明け方まで、ひたすらにひかるを求め続けた。
朝を迎えて、僕とひかるは、お互いの温もりのなかで目覚めた。
僕たちはまどろみのなかで求めあうように眼を合わせ、抱き合い、唇を重ねた。
もう、僕の心は間違いなく、ひかるの温もりに満たされていたけれど、それは、僕が口に出すべきことではなかった。
僕がそれを口にできるのは、僕とひかるの心から、この復讐のわだかまりが消え、お互いの気持ちを、ありのままに受け止めることができるようになってからだ。
そして、僕たちがそうなるためには、少しだけ時間が必要なのだ。
今は、それで十分だった。
今度こそ、僕はひかると、時間も距離も乗り越えてみせる。
僕は、そう心に誓うと、ひかるをさらにきつく抱きしめた。
今の僕が、彼女に気持ちを伝えられるとすれば、それは彼女を気持ちよくすることだけだった。
そして、僕は寂しさを極限まで募らせて、改めて彼女に想いを伝えるのだ。
そうして初めて、僕たちは普通の恋人としてスタートできるのだろう。
それは、今さらながらの形式主義のような気もしたが、ひかるは本来、そういう普通の恋愛をすべきだった女の子のはずで、それを無残に踏みにじってしまったのは僕なのだ。
だから、僕は全てを受け入れる。
そして、真っ当に、ひかるを手に入れる。
僕はそう心に誓いながら、明け方まで、ひたすらにひかるを求め続けた。
朝を迎えて、僕とひかるは、お互いの温もりのなかで目覚めた。
僕たちはまどろみのなかで求めあうように眼を合わせ、抱き合い、唇を重ねた。
もう、僕の心は間違いなく、ひかるの温もりに満たされていたけれど、それは、僕が口に出すべきことではなかった。
僕がそれを口にできるのは、僕とひかるの心から、この復讐のわだかまりが消え、お互いの気持ちを、ありのままに受け止めることができるようになってからだ。
そして、僕たちがそうなるためには、少しだけ時間が必要なのだ。
今は、それで十分だった。
今度こそ、僕はひかると、時間も距離も乗り越えてみせる。
僕は、そう心に誓うと、ひかるをさらにきつく抱きしめた。