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復讐の味は甘い果実に似て
第2章 セリヌンティウスへの宣告
「もう、このくらいでいいかな?」
「……はい。」
 明日香が力なく返事を返した。

「賭けは僕の勝ちだ。約束通り、僕は勝者としての権利を行使させてもらう。」
 明日香もひかるも俯いて、何も言わない。
 恵梨は僕の中で最愛の彼女から、僕を裏切り、保身のために友達まで売り飛ばした薄汚い女へと堕ちた。

 僕の復讐の炎は、恵梨の自白という最後の希望をも飲み込んでしまった。
 今や、僕の心の中に復讐を押し止めるものは、何一つ存在しなかった。
 目の前で見苦しく泣きわめく恵梨に、涙すら出せないほどの絶望を与えてやる。
 そのために、明日香とひかるという極上の道具を、僕は手に入れたのだ。

「復讐の日時や場所、それと、君たちにしてもらうことはメールで指示するから、君たちのメアドを教えてくれ。」
 僕は、悄然とスマホを差し出した明日香とひかるのメアドを確認しつつ、今後の計画に頭を巡らせるのだった。





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