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復讐の味は甘い果実に似て
第3章 復讐への階段 ~明日香の告白~
 それでも、ひかるは恵梨への復讐という動機がありながらも自分がやってしまったことの責任を果たそうとしている。
 処女まで捧げる覚悟を決めて。
 
 ひるがえって、このわたしはいったい何なんだろう?
 押しかけ集団の頭目のくせに、ろくに自分では決断もできず、ダラダラと逡巡したうえ、最後には彼氏に泣きついて、当の自分はろくな詫びすら言えずに、ただ頭を下げただけだ。
 
 ああ、先輩の言う通り、わたしはプライドの欠片もない安い女だ。
 わたしはこれからそういう人間として生きていくしかないのだ。
 あまりの情けなさに、わたしの目に涙がにじんだ。
 
 そして、わたしの足が止まった。

 今なら、まだ、間に合うかもしれない。
 急いでカフェに戻れば、わたしは自分の意地とプライドを貫くことができる。
 そうすれば、まだ、わたしは自分を、平河明日香という自分を取り戻せる。
 そうしなければ、もう、わたしはわたしでなくなってしまう。

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