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第3章 復讐への階段　～明日香の告白～

「……ごめん、浩二。」
「ん？」
「……わたし、カフェに戻る。先輩に協力する。」
「はあ？　馬鹿言うなよ。明日香まで、頭がおかしくなったのか？」
「わたしは自分でやったことに、きちんと責任をとりたい。意地を通したい。」

「本気で言ってんの？　明日香。」
「ごめん……浩二。」
「今から他人に抱かれてきます、って言われて、快く送り出す彼氏がいると思うか？」
「わかってる！　もうこんなバカな女なんか付き合っていられない、って言われても、仕方ないって覚悟はしてる。」
　思わず、わたしの目に涙がにじんだ。

　本当は、そんなにすぐ覚悟なんか、できるわけがない。
　浩二くらいわたしのことをわかってくれて、居心地のいいひとはいない。
　浩二を失うのは、身を削られるよりつらい。
　だけど、それ以上に、わたしは先輩の言う「安い女」になりたくない。

「……ごめんなさい。」
　
　もう、わたしは浩二を見ていることができなかった。
　これ以上、浩二を見ていたら、わたしの決心は揺らいでしまう。
　わたしは浩二に背を向けると、涙を拭って、カフェの方へと歩き始めた。

　
　……そして、復讐の日、わたしのスマホに先輩からの指示が着信した。