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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第35章 僅かな期待
「……課長と浅倉主任って昔からあんな仲良いんですか? 」

「いや、仲良くないよ。浅倉も言ってたけど、アイツは学生の頃からからかって弄って楽しむような奴なんだよ。俺だけじゃなくて、被害者は大勢いるよ」

その頃を思い出してか苦笑いで言う。
それすらカッコいいって思う私は重症だーー。

「資料室で偶然聞いたんです。浅倉主任が課長のことを下の名前で呼んでたから、すごく親しい関係なんだと思って……」

ヤバいーー今度は泣きそう。
情緒不安定すぎて自分がコントロールできない。
誰かを好きになって、こんな風になるのは初めてでどうしていいかわからない。

「あー、さっき言ってたのはそれか。学生のときに俺と同じ苗字のヤツがもう一人いたんだよ。そいつと区別するためにみんなが下の名前で呼んでた。それだけだよ」

私の心情を理解してか、さっきからゆっくり丁寧に詳しく説明してくれるから、少しずつラクになる気はする。

「……そうなんですね」

また頭をポンっと撫で、ほんの少し意地悪そうな顔をする。
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