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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第41章 酔った彼女に手を出す趣味はない
店内は暗めの照明で落ち着いた空間。
カウンター席が10席とテーブル席が6席ある。

私たちは奥のテーブル席についた。

カウンター、テーブル席も満席ではないけど、程よくお客さんで埋まっている。
店内を流れる音楽もゆったりとしたジャズで大人な雰囲気に初めて来たこともあってソワソワと落ち着かない。

康之さんには似合う。
誰かと来たことあるのかなーー?


なんて余計なことがすぐに浮かんでしまうのは、未だに心の隅では今の状況が信じきれてないからかもしれない。



「……彩華? 」

ぼっーとしてしまい、康之さんの言葉に引き戻される。

「すみません」

「飲み物はどうする? 」

「んー。これにします」

メニュー表から指差したのはバレンシアというお酒。
アプリコットリキュールとオレンジジュースからできている甘いもの。
その他にも食べ物を何種類か頼んだ。


「私、バーって初めて来ました。大人! という感じで昔は近寄りがたくて入ったことなかったんですよね」

「俺もよく来るわけじゃないよ。ただ、この店は別」

「別? 」
「マティーニとバレンシア、お待たせしました」

私が聞き返したと同時にお酒が運ばれてきた。

「康之、久々だな」

バーテンダーの男性がニコっと笑う。
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