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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第42章 彼シャツとありえない間違い
「何でそんな端っこにいるの」

スーツからラフなTシャツにGパン姿で戻ってきた康之さんは手にアイスを二つ持っている。

「い、いや……何となく、です? 」

「少し酔ってると思うから酔い覚ましに食べる? 」

「……いただきます」

スーツ以外の姿を見るのは二度目だけど、家の中で私服という当たり前の姿ですら、ドキドキしてしまって、5年以上恋愛をしてこなかったから耐性がなさすぎて笑えてくる。

隣に座られただけで例えるならジェットコースター並みに心拍が上がり、気のせいか手とかも震える。

初恋でもなければ、初めての彼氏でもないのに……。
何だか色々と精神状態がヤバい。

黙々とアイスを食べながらも脳内はパニックのまま。
冷たいものを身体に入れたからか酔いは覚めていく。



「……ぷっ」

最後の一口を食べ終えたとき、隣の人が笑い始めた。

「あ、あの……? 」

「はは、ごめんごめん」

笑うのをやめた康之さんがゆっくり私の方へ振り向く。

「彩華の緊張が手に取るようにわかっちゃって、可愛いんだけど、だんだん面白くなってきて、ごめんね」

頭をポンポンと撫でながら言う。
そのおかげか、緊張度マックスだったのが少し落ち着いてきた。
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