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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第44章 「もっとして」なんて初めて思った!
生暖かい舌が私のと絡ませるように動く。
未だに撫で続けられ、口内も侵されるからゾクゾクしてくる。

ディープキスだって初めてではないけど、これだけで気持ちよくなることなんて今まで一度もなかったーー!!

「ん……ふぅッ」

正直、かなりいい!
自然と声が漏れてしまう。

私は気持ち良くても恥ずかしさが増して声に出すのは苦手。
どうしても我慢してしまう。
だから「気持ち良くないんだ」とか「もっと声出せよ」とかよく言われてきた。

それなのに、何で!?
まだ理性を保ってる私は自分から漏れる僅かな声にすら敏感で恥ずかしさよりも気持ち良さが増して「もっとしてほしい」とまで感じ始めてる。

しばらくして離された唇に淋しさを感じつつ、間近にある康之さんを見下ろせば、見たことない『男っぽい』顔をしてる。
普段から男っぽいんだけど、色気ある男性の顔。

あ。
これ、ダメなやつじゃない?
堕ちていくーー。

「わざとらしく出される声よりも自然と出ちゃった声の方がエロさ倍増だよね。彩華……エロい」

耳元でいつもよりも低く言われて、ドキドキとゾクゾクが増す。
そのまま耳の裏側をペロっと舐める。

「康之さんが……あんなキス、するから」

身体を少しだけ離して見下ろしながら抗議する。

「その体勢……胸元見えるよ。それに、そんなエロい顔で言われても説得力ないからね」

意地悪そうに笑いながら言うと、背中に置いた手に力を込め、見えているという胸元より少し上あたりに舌を這わせる。
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