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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第52章 彼氏と彼氏の友達
「ありがとう」

そう言って隣に座った課長の方を向くとーー。
課長の斜め前あたりにいる人…どこかで会ったことある?
見たことのある顔の人がいる。
でもどこで会ったことあるんだっけ?
記憶を辿るけど思い出せない。というか名前すら知らない。

「あれ? もしかして…康之の彼女って"妹ちゃん"? 」

その人も同じことを思ったのかそう声を上げた。
そうだ、思い出した。私のことをそうやって呼ぶ人。

「彩華と健二って知り合い? 」

課長が不思議そうに私たちを交互に見て言う。

「そうなんだよ。妹…彩華ちゃんのお兄さんが俺と大学一緒でさ」

「彩華、お兄さんいるんだ? 」

「はい。5歳上の兄が二人います」

「あと下にもいなかったっけ? 当時小学生くらいじゃなかった? 」

健二さんが言う。彼は隆兄と仲が良くて、実家から地元の大学通ってた兄はたまに健二さんを実家に連れてきたことがあった。私が中学、高校の頃。

「よく覚えてますね。いますよ、四つ下に」

「えっ? 彩華、男ばかりの4人兄弟? 」

課長にはまだ話してなかったから、本当に驚いた様子で言う。
兄弟の話になると大抵驚かれる。安岡くんですら初めは驚いていた。私のイメージが姉妹で姉っぽいらしく、まさか兄と弟がいるなんて思わないみたい。

「盛り上がってるところ悪いけど、康之と彩華ちゃんは飲み物何にする? 」

「彰さん、こんばんわ」

課長は周りを見渡すと皆んなと同じビール、私はカシスオレンジをお願いした。
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