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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第53章 帰省
話をしているうちに気づけば実家の近くまで来ていた。

「そこを右に曲がって真っ直ぐ行ったところが実家です」

そう案内したとき、携帯が鳴った。

「……何で大和から? 」

「やまとって? 」

「あ、弟です」



「…もしもし? どうしたの? 」

『姉ちゃんが今どの辺にいるかって兄貴たちが聞けって言うからさ。で? どこら辺にいるの? てかさ、何で帰ってきてんの? 』

お母さんには知り合いに送ってもらうとしか連絡をしてなくて、詳しいことは何も話してない。
いつも帰るときは実家暮らしの大和や帰省中だったらお兄ちゃんたちに迎えに来てもらってたから、疑問に思うのも仕方ないと思うけど。

「もうすぐ着くよ…お母さんには言ったけど………車で送ってもらってるから」

『は? 誰の? 』

「…………彼氏」

『彼氏…? ってえっ!? 彼氏といるの!? 兄貴!! 姉ちゃんが!! 「もう着くから切るよ」

「…彩華? 大丈夫? 」

「康之さん…万が一、すぐに帰してもらえなかったらすみません。弟に彼氏がいるって言ったので、兄たちにも伝わってるかと思います」

心配そうにしてくれた課長には悪いと思いつつ、いきなりの家族への紹介になりそうな事態を免れる術を考えてみたが、残念なことに何も思いつかない。
昔から今でも兄二人と大和には敵わないのだ。
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