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第12章 リアルでチートヒロインは恋愛が苦手

いつもと同じ時間に駅に着き、電車を待つ。


彼氏…どうやって作るんだっけ？
合コン？職場？
そういえば会社の受付の子たちもよく合コンの話してるかも。
でもなぁ合コンってあまり好きじゃないんだよな。
それに一度も誘われたことないし…行ったことないから余計苦手意識あるのかも。

電車が来る。
いつも通り満員電車に乗り込むと少し離れたところに見知った横顔が見えた。


珍しいーー…。
いつもは車なのに。

背が高いからよく目立つその人は乗り慣れないのか横顔だけでもわかる苦痛の表情。
笑っちゃいけないけど、あんな顔もするんだと思ったらおかしくもなる。


会社のある駅に着いて、流れるように外へ出た。


「課長。おはようございます。」

声をかけると乱れたのを直しながらいつも通りの笑顔を向けた。

「佐倉さんか。おはよう。」

「珍しいですね。課長が電車に乗ってるなんて。車通勤でしたよね？」

ピッと電子マネーを改札に通す。
隣を通った課長は今時珍しい切符を通してた。