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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第14章 デートの練習台
話しながら歩いていたら、目的の和食料理の店に着いた。
こじんまりしているけど、以前課長と来た店構えとは違う雰囲気。

予約は特にしていなかったけど、席は空いていたらしくすぐに入ることができた。



「佐倉さん、飲む?」

明日も仕事だし…でもここだと駅からそこそこ近いから…と考えて、少しだけ飲むことにした。

梅酒とレモンサワー、焼き鳥セット、枝豆、出し巻き卵など軽いおつまみ系を頼んだ。


「これがImpoStorだよ。」

携帯を弄ってるなと思ったら、彼らの動画を見せてくれた。
やや高めの声で歌うボーカルとギター、ベース、キーボード、ドラムと一般的なバンド形態。

だけど、何か違和感……。

「ボーカルって男性じゃなくて女性なんですね。」

見た目は男っぽい格好だけど、顔立ちは女性っぽい。
歌い方に力があるから男性だとばかり思ってた。

「ドラムの人って…もしかして子供?」

「このバンドって結成12年なんだけど、今は曲はほとんど出してないんだ。12年前当初、ボーカルは13歳、ドラムは8歳、ギターとベースは10歳でメディアには一切出てこない幻のバンドって言われてて、どーいう人が歌ってるのか知られてなかった。後から知ったことは彼ら4人はキョウダイでボーカルの子は所謂トランジェスターだったらしい。」
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