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スパダリ課長とチート主人公な私の話。
第14章 デートの練習台
「トランジェスター…つまり、見た目は女の子でも中身は男の子。」

「まあそれが由来かはわからないけど、ボーカルの子がバンド名をつけるときに見た目と中身に偽りを感じてたからImpoStorってつけたって話。って、ごめんね…思いっきり語っちゃった。」


バツが悪そうに苦笑いする。
私としては普段知らない課長を知れた気がして良かったけど。


「私、実は話すのが苦手で面白い話題とかないし…どちらかと言うとたくさん話してくれる人の方が一緒にいると楽です。課長の本命の人がどのようなタイプかわからないですが、私みたいなのだと好きなものを語る姿、いいなと思います。」


「お待たせしました。梅酒とレモンサワー、枝豆と出し巻き卵です。」

「佐倉さん、ありがとう。とりあえず乾杯しようか。」

私は梅酒、課長はレモンサワーのグラスを持ち、「お疲れ様」とコツンとグラスを合わせた。


「…あのさ、せっかくデートの練習だし、佐倉さんのこと、名前で呼んでもいいかな?外でも苗字と肩書きで呼ばれたら仕事の延長みたいだから、気分転換に。」

「え、まあそれは構わないですけど……。」

これって私も課長とか稲葉さんって呼んだらいけないってこと?
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