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⊥の世界
第7章 ソファー
「ああ、納めたソフトがエラー起こして、レスキュー入った。」
「そういうの入ると大変だよね。」
「元はといえば、システム検証が甘かったから、自業自得なんだけどね。
フリーで仕事すれば、自分で時間調整出来るけど、わたしゃしがないサラリーマン。」
『皆さんお仕事お疲れ様です。』
「でね。Aさんはソファーどう思った?」
「どうって、ああ、あるなって。」
「M子ちゃんのおもてなしなんだって」
「ああ、ありがとう。」
『つまらないものですみません。今度は壁紙とか、色を考えてリビング明るくしますね。』
「じゃあ、ほら。」
と、Aさんが書き込むと同時に、ソファーの脇にお洒落なルームスタンドが置かれる。
「お~いいねぇ。Aさん太っ腹~。」
『男性もポイントが貯まるんですね。』
「知らなかったの?あ~俺自分の部屋のインテリアに凝ろうかな。Mちゃんが俺の部屋に来たくなるように。」
「男は、自分の滞在時間でポイントつくよ。M子ちゃん、部屋の一番下見てて。」
『はい。』
【ねぇ、俺の部屋来て、二人で話さない?】
画面の一番下にテロップで文字が繰り返し流れる。
『あの、リビングで皆さんとお話します。』
「おーい、R氏、何、個チャしたんだよ。」
「Mちゃん、個チャにリビングで返事しないでよ。」
『あの、個チャって何ですか?』
「、、、そこからですか?」
「個チャはね、個人チャット。こうやって皆で話してても、個人的に話したくなったら、テロップ流せるのよ。俺らにはRさんが送った内容はわからないわけ。」
『そうなんですね。これに返事するにはどうしたらいいんですか?』
「テロップの右端に←マークあるだろ?
そこをクリックするとメッセージバーが出るから。」
『わかりました。』
そして私はRさんに返信する。
【二人きりはダメです。】
「あ~、萎えるはこれ。」
「なんだよRさん、だから個チャの内容わかんないからさぁ。」
「今、俺の画面、」
【ねぇ、俺の部屋来て、二人で話さない?】
【二人きりはダメです。】って、デュエット曲の画面みたく、ずっとこの掛け合いが流れてる。」
「あはは~無駄にポイント使ったね。僕は部屋をリッチな癒し系に改装しようっと。」