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⊥の世界
第7章 ソファー
「それこそ無駄に終わるんじゃね?」
「いやM子ちゃんは、おもてなしとか人の気持ちを大事にするから、部屋を見に来るくらいはしてくれるでしょ。」
『お約束はできませんが、慣れてきて皆さんと仲良くなれたら、あるかもしれません。』
「おお、その調子。
何でもダメダメ言わないこと。個室で話せるようになるのがしばらく先だっていいんだよ。
はっきり言葉にして、自分が辛くなっちゃうなら、今みたいに濁した言い方で誤魔化したっていいんだし。」
「そうだよ。ああ、今日はとってもいい感じなのに、もう家に着いちゃうよ。皆さん一足お先に。」
「もうリビングにいるのに?」
「キツいなぁ、Aさん。リアだよリア。寛げないリビングと、トドの寝そべるソファーが待っている~(泣)」
『Rさんお疲れ様です。おやすみなさい。』
「うん、Mちゃんおやすみ。」
そしてRさんが退室していく。
そこで年長者のSさんがいつの間にか退室しているのに気付いた。
仕事の合間に入ってたのかな。
そして、Sさん、Rさんが抜けて今はTさんとAさんが残っている。Eさんが来る前にどちらかが抜けたら、1対1になってしまうから注意していなきゃ。
「Rさんは家庭持ちなんだね。」
『Aさんは独身なんですか?』
「そうだよ、社会人一年生。」
「へぇ~若いねぇ、ここじゃなくても会社とか合コンとかチャンスあるだろうよ。」
「苦手なんですよね。リアで大勢でごちゃごちゃ話すの。黙ってしまうタイプ?なんですよ。こうやって画面に向かってなら話せるんですけどね。」
「完全オタクじゃん。」
「まあ、そうですよ。M子ちゃんと似たり寄ったりですって。」
「だってM子ちゃん。」
『私の方がもっと口下手ですから。』
「さてさて俺も風呂に入ってくるわ。」
『私もそろそろ。』
「じゃあおやすみなさい。」