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レディー・マスケティアーズ
第11章 アトス&アラミス ――成城 木庭敦子の屋敷
「これで、しばらくは心配ない。本当に、ここからは一人で行くのかい?」
不安そうな面持ちの工藤に、アトスが笑いかける。
「若いあんたに何かあってはいけないわ。車で待機して、何かあったら教えて。それと、例のものを借りていくわ」
工藤は頷くと、肩に掛けていた大型懐中電灯に似たものをアトスに手渡した。
「じゃあ、行くわ!」
レオタードと網タイツを身にまとい、全身黒ずくめのアトスは、豹のような身軽さで階段を駆け上がった。
屋敷内の配置は頭に入っている。
木庭敦子の仕事部屋は三階の右奥。寝室は二階の左から二番目の部屋。どっちだ。
「坂上ちゃん。アラミスのGPS反応は?」
ヘッドセットに声をかける。
「二階だ。アトス、二階の寝室に向かえ!」
よし。ここね。
アトスは、突き破らんばかりの勢いでドアに体当たりした。二回目にドアが開いた。
敦子の寝室。
三世帯家族でキャンプができそうな広さだったが、明かりもなく、燭台に乗った何本かのローソクが灯っているだけだ。ベッドのほかに家具らしきものもない。
アトスは、暗闇に目が慣れるのを待った。
「アラミス!」
返事はない。
「アラミス!」
もう一度声をかけ、壁際に目を凝らすと、裸で拷問台に縛られているアラミスの姿がそこにあった。
がっくり首を垂れたアラミスは両手両足を「M」の字に広げられ、口にはさるぐつわを噛まされている。よく見ると、股間に電動式のディルトが差し込まれ、低い機械音を立てていた。
不安そうな面持ちの工藤に、アトスが笑いかける。
「若いあんたに何かあってはいけないわ。車で待機して、何かあったら教えて。それと、例のものを借りていくわ」
工藤は頷くと、肩に掛けていた大型懐中電灯に似たものをアトスに手渡した。
「じゃあ、行くわ!」
レオタードと網タイツを身にまとい、全身黒ずくめのアトスは、豹のような身軽さで階段を駆け上がった。
屋敷内の配置は頭に入っている。
木庭敦子の仕事部屋は三階の右奥。寝室は二階の左から二番目の部屋。どっちだ。
「坂上ちゃん。アラミスのGPS反応は?」
ヘッドセットに声をかける。
「二階だ。アトス、二階の寝室に向かえ!」
よし。ここね。
アトスは、突き破らんばかりの勢いでドアに体当たりした。二回目にドアが開いた。
敦子の寝室。
三世帯家族でキャンプができそうな広さだったが、明かりもなく、燭台に乗った何本かのローソクが灯っているだけだ。ベッドのほかに家具らしきものもない。
アトスは、暗闇に目が慣れるのを待った。
「アラミス!」
返事はない。
「アラミス!」
もう一度声をかけ、壁際に目を凝らすと、裸で拷問台に縛られているアラミスの姿がそこにあった。
がっくり首を垂れたアラミスは両手両足を「M」の字に広げられ、口にはさるぐつわを噛まされている。よく見ると、股間に電動式のディルトが差し込まれ、低い機械音を立てていた。