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レディー・マスケティアーズ
第11章 アトス&アラミス ――成城 木庭敦子の屋敷
「大丈夫? 目を覚ますのよ」
アトスは、両手でアラミスの頬を叩いた。手足を縛る拘束具を外そうと一歩踏み出した時、大型ハンマーを打ち付けられたような痛みが背中を襲った。
「うぁっ!」
アトスは、今入ってきた部屋のドア辺りまで、体ごと吹き飛ばされた。
*
何? 何があったの?
床を転がりながら、薄黒い部屋の中に目を凝らした。
人影が二つ浮かんでいる。一つは、巨大ソーセージのような寸胴の体型。もう一つは、ターミネーターのような巨漢だった。
「やっぱり仲間が来たわね。わたしが言った通りだろう」
巨大ソーセージがターミネーターに話しかけた。
「はい」
ターミネーター――二メートル近くあるGIカットの男――が答えた。
「この様子だと、茂たちもドジを踏んだようだね」
木庭敦子が、苦々しげに言った。
今日の敦子は、悪趣味この上ない金ぴかファッションでもなければ、キリスト風のヒッピースタイルでも、軍隊の制服でもなかった。
身に着けているのは光沢のある紫色のガウンだけだ。
隣のデカブツの服装は、時空を超えたばかりのターミネーターと同じく、何も着ていなかった。
映画で抱えていた大型機関銃サイズの一物が、体の前にそそり立っている。
「アラミスとかいうあの淫乱女には、仲間がいると茂たちが言っていた。アトスとポルトス。ふざけた名前だよ。どうやら、あんた。アトスのほうだね」
唇からにじむ血をぬぐいながら、アトスが木庭敦子をにらみ返した。
アトスは、両手でアラミスの頬を叩いた。手足を縛る拘束具を外そうと一歩踏み出した時、大型ハンマーを打ち付けられたような痛みが背中を襲った。
「うぁっ!」
アトスは、今入ってきた部屋のドア辺りまで、体ごと吹き飛ばされた。
*
何? 何があったの?
床を転がりながら、薄黒い部屋の中に目を凝らした。
人影が二つ浮かんでいる。一つは、巨大ソーセージのような寸胴の体型。もう一つは、ターミネーターのような巨漢だった。
「やっぱり仲間が来たわね。わたしが言った通りだろう」
巨大ソーセージがターミネーターに話しかけた。
「はい」
ターミネーター――二メートル近くあるGIカットの男――が答えた。
「この様子だと、茂たちもドジを踏んだようだね」
木庭敦子が、苦々しげに言った。
今日の敦子は、悪趣味この上ない金ぴかファッションでもなければ、キリスト風のヒッピースタイルでも、軍隊の制服でもなかった。
身に着けているのは光沢のある紫色のガウンだけだ。
隣のデカブツの服装は、時空を超えたばかりのターミネーターと同じく、何も着ていなかった。
映画で抱えていた大型機関銃サイズの一物が、体の前にそそり立っている。
「アラミスとかいうあの淫乱女には、仲間がいると茂たちが言っていた。アトスとポルトス。ふざけた名前だよ。どうやら、あんた。アトスのほうだね」
唇からにじむ血をぬぐいながら、アトスが木庭敦子をにらみ返した。