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レディー・マスケティアーズ
第12章 ミッション終了 ――横浜 ホテルのスィートルーム
*
草原の真ん中には、大きな泉がある。穏やかな日差し。柔らかな風に、若者たちの髪がそよいでいる。
十人、いや二十人はいるだろうか。
命じられたかのようにきちんと背筋を伸ばした若者たちは、みんな頭に花の冠をつけていた。
全員が金髪で、彫像のような引き締まった体をしている。そして、みんな裸だ。大きな円の形になって、中央にいる美しい娘――わたし――を囲んでいる。
若者たちの目には、娘の美しさへの尊厳と憧れの光が宿り、それ以上近くに寄ることもできずにいた。
「いいのよ。もっと近くに来て」
「おおっ」
娘の一言に、若者たちは揃ってひざまずいた。
「そんな、敦子様。あなた様に、そのような言葉をいただくとは」
「あなた様なんて、そんな言い方はよして」
敦子が首を振る。
「わたくしには、お金もない。名家の生まれでもない。ただの女でしかないのよ」
「しかし、あなたには、この世でいちばんの美貌がある。そのお体に一瞬でも触れることが許されたら、男たちは喜んで命を差し出すでしょう」
若者の一人がそう言うと、全員が「そうだ」と頭を下げた。
みんながわたしを見ている。それだけじゃあない。みんながわたしを欲している。若く美しいわたしを……。
「ならば、望みをかなえましょう」
敦子は身に着けていた白い布を取り去った。
「おおっ」という声が一斉に上がる。
「敦子様。そのような、そのような恐れ多い振る舞いを」
「いいのです。それが、そなたたちの望みなら。さあ、わたくしのそばに。もっと近くにいらっしゃい」
敦子は、次々に男たちの手を取り、自分の体に触れさせた。
ある者には柔らかな髪を、ある者には乳房を、ある者には太腿を、ある者はさらに奥にある恥ずかしいほどに濡れそぼったところを……。
「さあ、みんなの好きなようにして。わたくしが欲しいのなら、心のままにそう言って。わたくしも、あなたたちが欲しい」
「何と! 敦子様がお許しくださったぞ」
「おお。好きなことをしていいと!」
若者たちは口々に感嘆の声を漏らし、敦子の体を囲んだ。