この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
レディー・マスケティアーズ
第5章 作戦開始 ――恵比寿 海綿清掃のフロア
「桜井美里、二十三歳。今年四月に、都内のシステム開発会社に入社したばかりだった。言うならば、ピカピカの社会人一年生だ。そして、その会社というのが、表参道に本社を構えるトーホー開発。これが今回の標的だ」
 坂上がキーボードを叩くと、今度はトーホー開発の真新しい本社ビルが写し出された。フロアにいた全員が、小さく身を乗り出す。
 トーホー開発。
 新聞や雑誌の広告で、よく目にする会社名だ。十二階建てのガラス張りのビルは、表参道界隈のどのビルと比べてもきらびやかに見えた。
「では、ここからはヨシさんに任せよう」
 ヨシさんと呼ばれた男が立ち上がった。
 サングラスを外すと、白髪交じりの濃い眉毛が覗く。広くなった額と深い皺が刻まれた顔から見ると、六十を過ぎているのだろう。室内というのに、くたびれたハンチング帽をかぶったままだ。
「ああ、吉岡です。このトーホー開発について若干の説明を」
ヨシさんこと吉岡は、胸ポケットから老眼鏡と分厚い手帳を取り出した。
「トーホー開発。一九七五年設立の情報サービス会社。システム開発と運用・保守サービスを社業としている。資本金五千万、社員数は三百五十人。東京本社の他に、札幌と名古屋に事業所があり、本社とは別に都内の中野坂上にサービス担当オフィスを置いている」
 フロアにいる誰もがメモを取っている様子はなかったが、無駄口を叩く人間は一人もいない。さっきまでやり合っていたアラミスもポルトスも、全員の目と耳が吉岡に注がれている。
/144ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ