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レディー・マスケティアーズ
第5章 作戦開始 ――恵比寿 海綿清掃のフロア
 フロアの何人かが口笛を鳴らす。映し出されたのは、ヨーロッパ風の洋館というより、文字通り、当時の貴族が所有する古城のたたずまいだった。
「ヨシさんの話に資産家だってあったけど、こりゃあ生半可な資産じゃなさそうね。いったい何部屋くらいあるのかな」
「映画みたいに、執事とかメイドとかも、ぞろぞろ出てきそう」
「木庭茂とやら、こんな豪邸に住めるご身分で、どうしてケチな使い込みなんかするのかしら。どうも訳ありね」
 ざわつく女たちを前に、工藤が手を挙げて注目を呼びかけた。 
「それと、これがその姉貴。木庭敦子さ。吉岡さんが調べた通り、今年五十八歳になるそうだ」
 工藤が隠し撮りしたに違いない年配の女は、バストもヒップも、そしてウエストも百センチを超えるかという、肉を詰めすぎて破れそうになった巨大ソーセージに見えた。「飽食の限りを尽くすとこうなります」という実験結果のような体型だ。
 そして、それ以上に鼻をつまみたくなるのは、悪趣味この上ない時代錯誤なその服装だった。
 カールした金髪はかつらだろうか。ヒョウ柄のジャケットにトンボ眼鏡。ジャケットの下に覗くピンクのブラウスはブランド物には違いなさそうだが、動くと引きちぎれそうなほど体に張り付いている。
 小さな写真を見ているだけなのに、きつい香水の匂いが漂ってきそうで、フロアにいる全員が頭をくらくらさせていた。
「金にあかしたご趣味なんだろうけど、『自分の姿は自分には見えない』って本当ね」
「それって聖書の名言?」
 ポルトスの一言を、またアラミスがかき回す。
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