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レディー・マスケティアーズ
第6章 ポルトス ――トーホー開発 特命企画部
田野倉はズボンを突き上げる一物を気にしながら、会議室のホームバーからグラス二つとブランデーのボトルを取り出し、琥珀色の液体を両方のグラスに注いだ。この部屋には、もっと違う仕掛けや便利な薬もある。
でも、その助けを借りるのはまだ先だ。まずは実力勝負。そのほうが、後の楽しみも大きい。
「山岸さん。いや、沙也子さんと呼んでいいかい? わたしに話してごらん。上司に対してとかではなく、友人に語り掛けるように。わたしは君の友人だ。そうだろう?」
沙也子はこっくりすると、グラスのブランデーを一気に飲み干した。
「じつは……」
山岸沙也子は語り始めた。何度も言葉につかえ、何度も涙ぐみ、何度も息を整えながら。自分の身の上を、今日まで自分を襲った不幸の数々を……。
でも、その助けを借りるのはまだ先だ。まずは実力勝負。そのほうが、後の楽しみも大きい。
「山岸さん。いや、沙也子さんと呼んでいいかい? わたしに話してごらん。上司に対してとかではなく、友人に語り掛けるように。わたしは君の友人だ。そうだろう?」
沙也子はこっくりすると、グラスのブランデーを一気に飲み干した。
「じつは……」
山岸沙也子は語り始めた。何度も言葉につかえ、何度も涙ぐみ、何度も息を整えながら。自分の身の上を、今日まで自分を襲った不幸の数々を……。