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レディー・マスケティアーズ
第9章 アラミス ――三軒茶屋 木庭浩一のマンション
            
               *

 男たちは、その後も奈緒美を攻め続ける手を止めなかった。
 アイマスクをした奈緒美にさるぐつわを咬ませ、頭を下にしたり、体を回転させたりするために、奈緒美を磔にした診療台のありったけの機能を使い切った。
「さすがに四発立て続けにやると、目の前がちかちかするぜ」
したたり落ちる涎をぬぐいながら、茂が下卑た笑い声を上げる。
「そうだな。伯父貴」
 傍らの浩一も、まだ肩で息をしていた。
 上の口で一発、下の口で二発、それにケツの穴で一発。二人ともが、煮えたぎった汚液を同じ回数、女の中にぶちまけたのだ。
 磔にした女からアイマスクとさるぐつわを外すと、奈緒美のほうは息を乱す様子もなく、うっとりした顔で二人の男を見上げていた。「次は何をするの」とでも言いたそうに……。
「それにしても、大したタマだぜ。さすがに、あの店の審査で歴代最高点を取っただけのことはある」
「ああ、こんな女は初めてだ」
 茂と浩一は、顔を見合わせた。
「おじさんたちもよかったわ。なかなかやるじゃない」
 磔になったままの奈緒美が、涼しい声で言う。
「まだ足りないとでも言いたげだな」
 浩一が、女の顎を鷲づかみにした。
「ギャラ次第よ。わたし、前置きは嫌いだと言ったでしょう?」
「そう言えば、まだ値段の交渉をしていなかったな。こっちも、いくら払うと話していないぞ。そっちのほうは心配してなかったのか? おれたちがタダ乗りして、フケたりしないかって」
「そうだよ。こう見えても、おれたちは値切りのプロなんだぜ」
 奈緒美が、ぷっと吹き出した。
「そんな野蛮人みたいなこと、おじさんたちがするわけないじゃない? だって、あんな大きな会社の専務さんでしょう?」
「何だと!」
 木庭茂の顔色が変わった。
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