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レディー・マスケティアーズ
第9章 アラミス ――三軒茶屋 木庭浩一のマンション

「おまえ、どうしてそれを知っている?」
「どうしてって、お店のオーナーが……」
診療台に繋がれたままの菜緒美が口ごもった。
「このアマ!」
パンという乾いた音を立てて、女の頬に平手打ちが飛ぶ。
手を振り上げたのは、茂だった。
「どうも怪しいと思っていたが、馬脚を現したな。新入りさんよ。あの秘密クラブでは、客は自分の仕事や肩書きは一切明かさない。それが入会のルールなんだ。だから、オーナーと言えど、おれがどこの何者かは知らないんだ」
茂が、また平手打ちを飛ばした。
「こうなったら、徹底的に締め上げてやる。よし、浩一。サンダーバード基地の八番装備を用意しろ!」
「八番装備? あれを使うのかよ?」
「そうだ! つべこべ言うな!」
「わっ、わかった」
隣の部屋から戻った浩一が手にしているのは、小さな薬瓶だった。これが「八番装備」の正体か。薬瓶にラベルはなかった。
浩一からそれを受け取ると、茂は乱暴に菜緒美の顎をつかみ、薬瓶の中身を口に流し込んだ。
「うぐっ、うぐっ」
菜緒美が咳き込む。
液体の半分ほどは顎を伝って床に流れ落ちたが、残りは飲み下した。
「じきに効き目が表れるぞ。おい、スケ! これで、何から何までしゃべりたくなる。おしゃべりは止めろと先生に注意されて、それでもおしゃべりを止めない悪ガキみたいにな」
「どうしてって、お店のオーナーが……」
診療台に繋がれたままの菜緒美が口ごもった。
「このアマ!」
パンという乾いた音を立てて、女の頬に平手打ちが飛ぶ。
手を振り上げたのは、茂だった。
「どうも怪しいと思っていたが、馬脚を現したな。新入りさんよ。あの秘密クラブでは、客は自分の仕事や肩書きは一切明かさない。それが入会のルールなんだ。だから、オーナーと言えど、おれがどこの何者かは知らないんだ」
茂が、また平手打ちを飛ばした。
「こうなったら、徹底的に締め上げてやる。よし、浩一。サンダーバード基地の八番装備を用意しろ!」
「八番装備? あれを使うのかよ?」
「そうだ! つべこべ言うな!」
「わっ、わかった」
隣の部屋から戻った浩一が手にしているのは、小さな薬瓶だった。これが「八番装備」の正体か。薬瓶にラベルはなかった。
浩一からそれを受け取ると、茂は乱暴に菜緒美の顎をつかみ、薬瓶の中身を口に流し込んだ。
「うぐっ、うぐっ」
菜緒美が咳き込む。
液体の半分ほどは顎を伝って床に流れ落ちたが、残りは飲み下した。
「じきに効き目が表れるぞ。おい、スケ! これで、何から何までしゃべりたくなる。おしゃべりは止めろと先生に注意されて、それでもおしゃべりを止めない悪ガキみたいにな」

