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第1章 再会

「私の事を…？」
「子供は、いるかい？」
「女の子が、ひとり…小学４年生」
「生活はどうだ？旦那の仕事は、順調か？」
「来月から、支店長に…」
「エリート銀行員だったよな。服屋の店員の俺とは、えらい違いだな」
「そんな事…」
「優しいか？」
「そうだと思う…。私にも娘にも、暴力振るった事ないから。ギャンブルもしないし、タバコも吸わない。お酒に溺れた事もない。ゴルフはするけど、ほとんど接待だけ」
「まさに模範的って訳か」

亮は タバコの火を消して
「まあいいさ…。俺が 一番知りたいのは…」
顔を私に近づけて…

「栞…。今、幸せか？」
「……」

何言ってるの？
決まってるじゃない!
ほら、栞。
なんで黙ってるの？
かわいい娘。完璧な旦那。
生活の不安も不満もないでしょ？
胸張って言いなよ！
私は幸せですって！

「ん？どうした？簡単な質問だぜ？イエスかノーか、どちらかだ」
「……」