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ソレは、二十歳になってか……ら……?
第4章 約束(後日談)
「……妊娠、は……」
思わず、俯く。
橋本さんにはお子さんが居るし、話し方が柔らかいから、妊娠とか出産とかの話をする相手としては、普通の男の人より抵抗が少ない。
だけど、もし私が光の子供を妊娠してたら、ヒカリさんが、パパになるって事だ。
歌姫がママになる事になったとしても、大騒ぎになるだろうけど……突然、パパになっちゃうんだから……正体を公表するかどうかも含めて、単純におめでたいだけの話ではなくなってしまう。
そういう意味では、橋本さんに妊娠の話は、しにくい。
「……今回は、してませんでした……」
抱かれた時とっさに、タイミング的に時期じゃないからきっと大丈夫、って思った通り。
しばらくしたら、生理が来た。
光は自分のした事を、途中からは、何も憶えていなかった。私も、何が有ったかは、話してない。
だから、生理が来た時には、ほっとしたような淋しいような複雑な気持ちを、自分一人で味わった。
「そう。……でも、避妊しなかったんでしょ?あのしょうがないバカ猿の光のヤツったら」
……やっぱり。
橋本さんも、知ってるんだ。
酔っ払った光が、どうなるかってこと。
「はい。ご存知かもしれませんけど……そういう感じじゃ、なかったんです……」
私は、橋本さんに答えながら、あの日のことを思い出していた。