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ソレは、二十歳になってか……ら……?
第1章 前編
「滅多に無ぇけど、全員の打ち上げとかでも絶対飲まねぇもんな、お前」
「うん!……一回橋本さんと飲んだけど、憶えてねーし!」
「え」
「えっ」
二人の「え」がハモった。
「朔、知らねかったっけ?ハタチになった頃、今後飲まされる事が有るかもだから酒癖チェックしとかなきゃねーって言われてー、地方行ったときホテルの部屋に呼ばれてー」
「おま……先輩のホテルの部屋っ……」
うん、分かるよ言いたい事。
橋本さんの部屋にヒカリが一人で呼ばれて酒飲まされるって、ヤバい図だよね。
けど。
「それがー、翌朝起きたら、飲んだ事とか全っ然憶えてなくてさー」
「え」
「えっ」
またハモった。ほんと仲良いよね、君達。
「橋本さんが正座して真っ面目ーな顔で、『お前は一生絶対飲むな。命に関わる』って」
「なるほど……弱ぇんだな」
「うん、多分ね!」
全然憶えてねーけどねっ!
「みなさーん!お待たせしました!」
橋本さんとの思い出を話し終えたところに、重たそうなお盆を持ったるりが、にこにこしながら戻って来た。