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独り暮らし女性連続失踪事件
第2章 罠
≪最初の襲撃≫
「高校一年生の授業もこれで終わり。来月には二年生になるんだから、春休みは遊んでばかりじゃダメよ」
飯田先生のお説教で三学期の授業が終わった。
「いいなあ、あの声、後姿、いいよなあ」
大沢(おおさわ)誠(まこと)が見とれていると「大沢、何を見ているんだよ」と帰り支度をしていた隣の佐藤(さとう)賢一(けんいち)に頭をコツンと叩かれた。
「痛いな、佐藤、叩かなくたっていいじゃないか。ほれ、見てよ」
誠は叩かれた頭を掻きながら賢一にスマホを差し出した。
「お前、本当に飯田先生のこと、好きなんだな。いつ撮ったんだよ」
「バス停とか、いろいろさ」
誠は担任の飯田絵美にぞっこん参っている。
「バツ一の三十五歳だぞ。お前、変だよ」
「佐藤には分らないのかな?まあ、僕にしか分らないんだね、先生の良さが。僕、先生の犬になりたいな。へへへ」
誠はニヤニヤしながらスマホの写真を眺めていた。
「お前、何を言っているんだよ。変態じゃなの?まあ、いいけどさ。
ところで、大沢、知ってるか?この間、先生が変な奴と喧嘩してたらしいぞ」
「変な奴って?」
「いや、よく分からないんだけれど、ほら、吉田ケンネルってあるだろう?」
「ああ、小学校の隣で犬の訓練やコンテストをやっているところだろう」
「そう。あそこでさあ、何か怖そうな奴と言い争っていたらしいよ」
「そうか、でも、この間、何にも言ってなかったけどな。大丈夫かな?心配だな」
「大沢、お前が心配したってしょうがないだろう。まあ、いいや。なあ、部活辞めたんだって?」
「うん、まあ、補欠だからね。二月で辞めたよ」
「どうすんだ?暇だろう、バイトでもするのか?」
「まだ考えてないんだけれど、何かいいバイトあるの?」
「俺も探してるんだけれど、高校生だとなかなか無いよ。まあ、これでも見て探したらどうだ」
賢一は自分で集めた情報誌やチラシを見せてくれた。
「高校一年生の授業もこれで終わり。来月には二年生になるんだから、春休みは遊んでばかりじゃダメよ」
飯田先生のお説教で三学期の授業が終わった。
「いいなあ、あの声、後姿、いいよなあ」
大沢(おおさわ)誠(まこと)が見とれていると「大沢、何を見ているんだよ」と帰り支度をしていた隣の佐藤(さとう)賢一(けんいち)に頭をコツンと叩かれた。
「痛いな、佐藤、叩かなくたっていいじゃないか。ほれ、見てよ」
誠は叩かれた頭を掻きながら賢一にスマホを差し出した。
「お前、本当に飯田先生のこと、好きなんだな。いつ撮ったんだよ」
「バス停とか、いろいろさ」
誠は担任の飯田絵美にぞっこん参っている。
「バツ一の三十五歳だぞ。お前、変だよ」
「佐藤には分らないのかな?まあ、僕にしか分らないんだね、先生の良さが。僕、先生の犬になりたいな。へへへ」
誠はニヤニヤしながらスマホの写真を眺めていた。
「お前、何を言っているんだよ。変態じゃなの?まあ、いいけどさ。
ところで、大沢、知ってるか?この間、先生が変な奴と喧嘩してたらしいぞ」
「変な奴って?」
「いや、よく分からないんだけれど、ほら、吉田ケンネルってあるだろう?」
「ああ、小学校の隣で犬の訓練やコンテストをやっているところだろう」
「そう。あそこでさあ、何か怖そうな奴と言い争っていたらしいよ」
「そうか、でも、この間、何にも言ってなかったけどな。大丈夫かな?心配だな」
「大沢、お前が心配したってしょうがないだろう。まあ、いいや。なあ、部活辞めたんだって?」
「うん、まあ、補欠だからね。二月で辞めたよ」
「どうすんだ?暇だろう、バイトでもするのか?」
「まだ考えてないんだけれど、何かいいバイトあるの?」
「俺も探してるんだけれど、高校生だとなかなか無いよ。まあ、これでも見て探したらどうだ」
賢一は自分で集めた情報誌やチラシを見せてくれた。