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独り暮らし女性連続失踪事件
第2章 罠
≪脅し≫
「大沢君、頑張ってね」
「はい、一生懸命頑張ります!」
アルバイトを始めてまだ一週間も経っていないが、早くもパートの牧田(まきた)祥子(しょうこ)からあてにされていた。
「ここは私がするから、誠君は台所用品の棚を見て、商品が少なかったら補充してね」
「はい、分かりました」
ところが、誠が商品棚を整理している時、「よう、坊主。ここにいたのか。この間は世話になったな」と後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返ると、それは絵美を追い回した二人組の大きな方の男だった。明るいところで見ると、ただの不良ではないことはよく分る。
「えっ、あの、いや…」
「大沢か…」
その男は誠の名札を見てニヤリと笑った。
「な、何か?」
「いや、何でもないよ。今日は挨拶だけだ」
彼は辺りを見回すと、誠の頬をパン、パンと軽く叩き、「またな」と言って出て行ったが、近くにいた祥子が心配そうに駆け寄ってきた。
「なんなの、あれ?顔色が悪いわよ」
「い、いや、何でもありません」
「だって、顔が真っ青よ」
「だ、大丈夫です。何でもないから」
「そう、ならいいけど、心配事でもあるなら、店長に相談しなさい」
「本当に大丈夫ですから」
余計なことは言いたくない。誠が繰り返し「大丈夫」と言うので、祥子は気になりながらも仕事に戻っていった。
「大沢君、頑張ってね」
「はい、一生懸命頑張ります!」
アルバイトを始めてまだ一週間も経っていないが、早くもパートの牧田(まきた)祥子(しょうこ)からあてにされていた。
「ここは私がするから、誠君は台所用品の棚を見て、商品が少なかったら補充してね」
「はい、分かりました」
ところが、誠が商品棚を整理している時、「よう、坊主。ここにいたのか。この間は世話になったな」と後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返ると、それは絵美を追い回した二人組の大きな方の男だった。明るいところで見ると、ただの不良ではないことはよく分る。
「えっ、あの、いや…」
「大沢か…」
その男は誠の名札を見てニヤリと笑った。
「な、何か?」
「いや、何でもないよ。今日は挨拶だけだ」
彼は辺りを見回すと、誠の頬をパン、パンと軽く叩き、「またな」と言って出て行ったが、近くにいた祥子が心配そうに駆け寄ってきた。
「なんなの、あれ?顔色が悪いわよ」
「い、いや、何でもありません」
「だって、顔が真っ青よ」
「だ、大丈夫です。何でもないから」
「そう、ならいいけど、心配事でもあるなら、店長に相談しなさい」
「本当に大丈夫ですから」
余計なことは言いたくない。誠が繰り返し「大丈夫」と言うので、祥子は気になりながらも仕事に戻っていった。