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独り暮らし女性連続失踪事件
第2章 罠
≪拉致≫

その日の夕方、誠がアルバイトを終えて通用口のドアを開けると、そこにスーツを着た目つきの鋭い男、吉野が立っていた。嫌な感じがしたが、「大沢君かな?」 と呼び止められた。

「そうですが…」
「この男たちを知っているかな?」

男は写真を取り出した。あの二人組が写っている。誠は直感的に警察だと思い、「あっ、こいつら、知ってます、知ってますよ」 と声が出ていた。すると、男は「そうか、ちょっと話を聞きたいので、あちらの車に来てくれるかな?」と近くに止めてある黒いワンボックスカーを指差した。

誠はこれで助かると思い、「あ、はい。行きます」と勢いよく車に乗り込んだが、その途端、中にいた男に「余計なことに顔を突っ込むんじゃねえよ。調子に乗りやがって」と脇腹を殴られてしまった。更にポカポカと頭も殴られ、おまけにスマホと身分証明書を取り上げられてしまった。

「吉野さん、こいつのスマホ、見て下さいよ。あの女の写真ばかりですが、こんなものまで撮ってますよ」

誠が撮った絵美の写真だ。バス停で、学校の帰り道、そして絵美の家と下着。そんなものを見られると、先生に迷惑が掛かる。

「やめて下さい、それは」とスマホに手を伸ばそうとしたが、「うるせんだよ」と今度は頭から黒い袋を被され、座席の下に転がされると、体を足で踏みつけられてしまった。

「く、苦しい…」と呻くが、男たちはお構いなしに踏みつけてくる。そして、「おお、どれどれ、何だ、お前はストーカーか?ははは、これは都合がいいや」と吉野の声が聞こえてきた。

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