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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索

「あの日は、祥子さんが言うように、変な男が来て、大沢君は真っ青な顔になってた。でも。その後、午後6時頃かな、彼が帰る時に警察が来たのよ」
「えっ、警察?」
賢一と祥子が同時に声を出した。

「うん、警察だと思う。スーツを着た男の人だから」
「スーツか、刑事さんかな…」
「そう思う。大沢君もすがるような顔をして話していたから。それで、その男が何か写真のようなものを見せると、『あ、そうです』って、大沢君も答えていた。それから、大沢君はその男と一緒に黒いワンボックスカーに乗って行ったの」
祥子にとって初耳だったが、変な男に脅されていた誠が「すがるような顔をして話していた」と聞かされれば、誰でもスーツの男は刑事だと思う。賢一もそうだと思った。しかし、それなのに、どうして、誠は変わってしまったのか?しかも、利子は「そんなにいい子だとは思えない」と言う。

腑に落ちない賢一が「でも、警察だったら、とっくに学校に連絡が来ている筈ですが」と詰めると、「そ、そんなこと、言われたって…」と利子は露骨に嫌な顔をした。これでは、詳しく聞けずに終わってしまう。

「まあまあ、佐藤君、利子さんは見たことを言っただけだから」と祥子が間に入り、「利子さん、『今はそうじゃない』って言ったけれど、この他にも何かあるの?私も信じられないのよ」と繋いでくれた。
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