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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索
利子は賢一をちらちら横目で見ながら、祥子に向かって話しを続けた。
「一昨日のことだけど、店に来たあの男と大沢君が一緒にいたのよ」
「えっ、あの男と?」
「そうなのよ。私、通りの反対側だったから、大沢君の顔色までは分からなかったけど、とにかく一緒にいたのよ」
「そうなの…」
「私だって心配なのよ。だから、声だけでも掛けようかと思ったら、そこに女が来たのよ」
「女?」
「そう。それも私達より年上、四十後半かな、五十にはなってないと思うけど、その女が来たら、あの男、“じゃあ”って具合に手を挙げてどこかに行っちゃったの」
「それで?」
「女が大沢君と腕を組んで歩きだしたから、ちょっとついて行ったのよ。そうしたら…ラブホテルに入ったのよ」
「ラブホテル!」
今度は祥子が驚いて大きな声で出した。
「あの子が女とラブホテル、信じられない」
「私だって驚いちゃったわよ」
もう賢一には二人の言葉は耳の入らなかった。
信じられないことが多すぎる、大沢、お前、どうしちゃったんだよ…ショックを受けた賢一はどうやって家に帰ったのか、覚えていなかった。