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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索
≪根本先生≫
「よし、今日の稽古はここまで」
「先生、どうもありがとうございました」
「おう、気を付けて帰れよ。それから、勉強も忘れるな。ははは」
柔道部の練習が終わったが、賢一は顧問の根本先生から残るように言われた。
「佐藤、どうした?練習に全く身が入っていないぞ。怪我をするぞ」
「あ、すみません」
「何か悩みでもあるのか?あったら言って見ろ。相談に乗るぞ」
賢一は迷っていた。誠のことをそのままにはしておけないが、事が事だけに迂闊に学校には相談できない。しかし、この根本先生なら大丈夫かも知れないと思った。
数学の先生でいながら柔道部の顧問も務める豪傑。これまでも暴力事件を起こした問題児など、穏便に解決して退学などにならずに卒業させてくれたことを先輩から聞いていた。
「あの、ここではちょっと…」
「分った。着替えたら指導室に来い」
着替えを終えて賢一が指導室に行くと、根本先生は「腹減っただろう?ほら、これでも食え」と菓子パンとペットボトルのお茶を差出し、「俺も腹が減ったから食うぞ」とそれを食べ始めた。
さすが根本先生は心得ている。相談に来る生徒は思いつめていることが多い。先生は直ぐに本題には入らない。一緒に食べたり飲んだり、アイドルの話をしてたりして、そんな生徒の気持ちを和らげることにしている。
「佐藤は飯が好きか、パンが好きか、どっちだ。俺は飯が大好きだが、ここで飯は食えんから、パンで我慢している」
「部活の後は何でもうまいです」
「そうか、まだあるぞ。もっと食え」
賢一はあっと言う間に菓子パンを三つも食べてしまい、満腹になると、気持ちがリラックスしてきた。
「よし、今日の稽古はここまで」
「先生、どうもありがとうございました」
「おう、気を付けて帰れよ。それから、勉強も忘れるな。ははは」
柔道部の練習が終わったが、賢一は顧問の根本先生から残るように言われた。
「佐藤、どうした?練習に全く身が入っていないぞ。怪我をするぞ」
「あ、すみません」
「何か悩みでもあるのか?あったら言って見ろ。相談に乗るぞ」
賢一は迷っていた。誠のことをそのままにはしておけないが、事が事だけに迂闊に学校には相談できない。しかし、この根本先生なら大丈夫かも知れないと思った。
数学の先生でいながら柔道部の顧問も務める豪傑。これまでも暴力事件を起こした問題児など、穏便に解決して退学などにならずに卒業させてくれたことを先輩から聞いていた。
「あの、ここではちょっと…」
「分った。着替えたら指導室に来い」
着替えを終えて賢一が指導室に行くと、根本先生は「腹減っただろう?ほら、これでも食え」と菓子パンとペットボトルのお茶を差出し、「俺も腹が減ったから食うぞ」とそれを食べ始めた。
さすが根本先生は心得ている。相談に来る生徒は思いつめていることが多い。先生は直ぐに本題には入らない。一緒に食べたり飲んだり、アイドルの話をしてたりして、そんな生徒の気持ちを和らげることにしている。
「佐藤は飯が好きか、パンが好きか、どっちだ。俺は飯が大好きだが、ここで飯は食えんから、パンで我慢している」
「部活の後は何でもうまいです」
「そうか、まだあるぞ。もっと食え」
賢一はあっと言う間に菓子パンを三つも食べてしまい、満腹になると、気持ちがリラックスしてきた。