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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索
≪山川警察署≫
その頃、警察署では、週刊スクープ編集長の田村が山川警察署生活安全課主任に探りを入れていた。
「主任、捜索願も出てないのですか?」
「新聞に出たからって、直ぐに事件とは限らない、週刊スクープさん、これくらい常識でしょう?」
「いや、編集長なんてやっていると、そういう常識が分らなくなっちゃうんですよ」
彼は笑いながら頭を掻いていたが、主任の表情の動きを見逃さなかった。
お前、誰に向かって言ってるんだ。お前がオムツを付けて
いる時分から、俺はサツ周りしたんだよ。
顔を見れば、隠し事があるくらい、直ぐに分かるぞ
しかし、警察の機嫌を損ねてはいけない。今日はこの辺で引き上げるかと、田村が立ち上がったところに、奥から顔を出した横田副署長が「あれ、村ちゃんじゃないの?」と声を掛けてきた。
「やあ、横ちゃん、しばらく」
田村が軽く手を上げ、副署長と親しく挨拶を交わすと、今まで、“何だ、この週刊誌の記者は”と邪険に扱っていた主任が急に姿勢を正し、「えっ、田村さん、副署長をご存知ですか?」と、言葉使いまで変わった。
「ええ、昔からの古~いお付き合いですよ」と皮肉たっぷりに返すと、「はっ、失礼しました。自分は片山と言います」と大慌てだった。
「片山君、もういいから。村ちゃん、そこじゃ、なんだから、僕の部屋でお茶でもどうだ」
なんとか取り繕うとする片山主任に助け舟を出す形で、横田副署長が田村を自室に招き入れた。
週刊スクープ編集長の田村は全国紙の新人記者時代、支局で警察回りをしていたが、その時、同じく若手警察官だったのが横田副署長だ。
その頃、警察署では、週刊スクープ編集長の田村が山川警察署生活安全課主任に探りを入れていた。
「主任、捜索願も出てないのですか?」
「新聞に出たからって、直ぐに事件とは限らない、週刊スクープさん、これくらい常識でしょう?」
「いや、編集長なんてやっていると、そういう常識が分らなくなっちゃうんですよ」
彼は笑いながら頭を掻いていたが、主任の表情の動きを見逃さなかった。
お前、誰に向かって言ってるんだ。お前がオムツを付けて
いる時分から、俺はサツ周りしたんだよ。
顔を見れば、隠し事があるくらい、直ぐに分かるぞ
しかし、警察の機嫌を損ねてはいけない。今日はこの辺で引き上げるかと、田村が立ち上がったところに、奥から顔を出した横田副署長が「あれ、村ちゃんじゃないの?」と声を掛けてきた。
「やあ、横ちゃん、しばらく」
田村が軽く手を上げ、副署長と親しく挨拶を交わすと、今まで、“何だ、この週刊誌の記者は”と邪険に扱っていた主任が急に姿勢を正し、「えっ、田村さん、副署長をご存知ですか?」と、言葉使いまで変わった。
「ええ、昔からの古~いお付き合いですよ」と皮肉たっぷりに返すと、「はっ、失礼しました。自分は片山と言います」と大慌てだった。
「片山君、もういいから。村ちゃん、そこじゃ、なんだから、僕の部屋でお茶でもどうだ」
なんとか取り繕うとする片山主任に助け舟を出す形で、横田副署長が田村を自室に招き入れた。
週刊スクープ編集長の田村は全国紙の新人記者時代、支局で警察回りをしていたが、その時、同じく若手警察官だったのが横田副署長だ。