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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索

「そうだよね、ストーカーなんて、俺たちが小僧の頃はいなかったけど、最近は困ったもんだよ」
こうなると、手の内を少し明かさないと、ネタはくれない。
「ところで、横ちゃん、この全国紙の記事、知ってるでしょう?」
「どれ、ああ、これね。合成麻薬なんて、いかんよね」
「麻薬も困ったもんだけど、ここ、この『暴行されたような形跡があるが、残された体液は人間のものではなく、獣のような毛が付着していた』ってとこが気になってね、うちの若手に調べさせているんだがまさかと思うんだけど、獣姦じゃないかとね。ブリーダーのトラブルだとすれば、金も絡むから何が起きても不思議はないよね。埼玉の連続殺人事件だって、犬用の殺処分薬を使っちまうんだから。それにこっちの先生の行方不明、これもペットが絡んでいる。これ、関連があるじゃないの?」
「埼玉の事件、酷い事件だったよな。だけどさ、これがそんな結びつきがあったら、大変だよ。誰が被害者で、誰が加害者か分らないけれど、プライバシーをしっかり守ってやらないといかんよ。村ちゃん、書いちゃダメだよ」
「横ちゃんは裏切れないからな。まあ、考えておきますよ」

〝盟友〟とはいえ、現役の副署長、ガードが硬い。ならば、隠し玉を出さないと。

「ところで、最近、〝吉野桜〟はどうしましたかな?」
「〝吉野桜〟か、しばらく見てないな。しかし、あそこでも楽しめるのは四月末までだよね。もう葉桜だから、ダメだよね」
「葉桜だと、どれが『悪い桜』が分らなくなるね」
「なんだ、村ちゃんも桜に詳しいのか?」
「いや、昔、横ちゃんに教わっただけだから大したことはないよ。それじゃ、今日はこれで」
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