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独り暮らし女性連続失踪事件
第3章 捜索
田村編集長を見送った横田副署長は改めて、彼の名刺を見ていた。
田村、今は週刊誌の編集長か…
しかし、〝ハイエナ〟と呼ばれていた頃と変わらない。
こんな記事だけで、吉野が絡んでいると嗅ぎつけてきた。
相変わらず鋭い。
そこに、入れ替わるように、「副署長、山川高校の根本さんです」と女性警官が根本先生を案内してきた。
「横田先輩、ご無沙汰しています」
「おう、根本か。久しぶりの電話で一杯やるのかと思ったのに、とんでもない話だな」
「いや、ご迷惑をお掛けします」
「気にするな。ところで、この話は校長に知らせてあるのか?」
「まだです。校長にどう伝えようか迷っています。下手をすれば停学処分は免れないし、みんなに知られてしまい、退学せざるを得なくなってしまう。何か理由があるはずなので、助けてあげたいのです」
「分った。しかし、気を付けろよ。飯田先生のことでマスコミが嗅ぎまわっているから、現行犯逮捕の時に記者がいたらアウトだ。生活安全課長と相談しなくちゃいけないが、いいな?」
「はい、結構です」
そして、最初から待機させていた生活安全課長が入ってきた。
「坂田と言います。よろしくお願いします」
温厚な五十歳代の男だ。